木造住宅の耐震性を高める、地震力を伝えないための当社対策の一部を、当社実例を基にご説明します。対策には、取りの工夫で行える対策で、一般の方にもわかりやすいものから、専門知識がないとわかりにくい、壁量や建物のズレまた、各種制震・免震装置の取付といった構造的な対策があります。
(浜松市U様邸)
地震に強い建物には良質な基礎が必要です。
基礎の完成実例と完成に至るまでの重要なポイントの実例写真です。
実例:浜松市U様邸
耐圧版16cm 立上厚15cm
土台間隔が1m以上開かない様にベタ基礎内に独立基礎を配置
実例:浜松市U様邸
基礎下栗石:栗石敷込が重要
潰し砂利密度が重要
鉄筋量、組精度が重要
耐震性を考えた場合には、建物はなるべく単純な形がよいでしょう。あまりに凸凹が多いと建物の剛性バランスが悪くなります。屋根に軽い重量の材質を使用することも建物の地震力を低減させます。
実例:浜松市S様邸
柱は荷重がなるべく均等になる様に配置します。また、従来の根太工法よりも水平力を保つことができる剛床工法を当社では採用しています。また耐震金物の適切な配置も重要です。
実例:浜松市K様邸
オール4寸角檜柱
建物に作用する水平力に対抗するため、筋違や合板などの面材で耐力壁を設置します。
また、柱間に耐力パネルをはめ込む方法もあります。建築基準法での壁量の基準も設定されていますが、基準は最低の必要量なので、1.3倍~1.5倍の余裕を設定しておくことが大事になります。
実例:浜松市O様邸
筋違耐震壁
壁倍率2.5倍
軸組パネル工法 壁倍率3.3倍
建物には重心(重量の中心)と剛心(構造の中心)があります。
地震力が作用した場合、水平力の他に剛心を中心として剛心に回転力が作用します。
重心と剛心の距離があるほど、捻れなどが加わりますので、このズレを少なくする事が必要になります。偏心率(捻れに対する抵抗の割合)は0.3以下との建築基準法上の規定はありますが、当社では、最低でも0.15以上で計画する事を基本としています。
建物木部最下部となる土台は上部の重量を支える重要な部分です。また、白ありなどの被害を受ける可能性が一番高い部分ですので、材質や強度にはこだわりたい部分です。
土台 ヒバ4寸角 土台工法
土台ヒバ4寸角 大引赤松
耐震の建物にさらに揺れを増幅させない装置や特殊粘弾性体を取付け、地震による揺れを効果的に吸収し、建物変形を最小限に抑えます。
免震構造とは、建物と地面との間に柔らかい層(免震層)を設け、地震の揺れを建物に伝わりにくくする構造です。地震の揺れを少なくするや家具の転倒などの2次災害も防ぐこと事を目的としています。
実例:浜松市T様邸
空気の力で地震時に家を浮かせ、揺れを1/10程度に軽減させます。
実例:H23年12月竣工 掛川市I様邸
採用装置:エアー断震システム http://www.airdanshin.jp/
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2015/11/26